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「鳥獣戯画を手塚治虫が語る」ページを例として。
その言葉を読むとき、私たちが知るのは鳥獣戯画のことより、むしろ手塚治虫のことなのかもしれません。
手塚が鳥獣人物戯画の中に見つける「誇張」「変形」「省略」の3つの要素は、現代のマンガを特徴づける要素そのものです。そして、手塚が目を止め解説するシーンや描写には、彼自身のマンガについての哲学が浮かんで見えてきます。
また、鳥獣人物戯画を絶賛する一方で、源氏物語絵巻を「面白みがない」と評したのも、手塚が「芸術」に何を求めていたのかということを考えるとすんなり納得できる気がします。
今回の特集には、思い入れのある作家や作品を“自分ごと”にしている19人の語り手たちが登場します。彼らの視点を追うことで、彼ら自身を知り、近づく機会にもなっているかと。